歯の衛生
イタリアングレイハウンド(IG)に限らず、犬の歯は生後3ヶ月から6ヶ月頃にかけて乳歯から永久歯に生え替わります。生えた永久歯はもう2度と生え替わりませんので、その後死ぬまで約15年間は使い続けなくてはなりません。
残念なことにIGは歯肉炎になりやすく若いうちに歯を失うことが多いです。
IGの正しい噛み合わせは鋏状咬合(シザースバイト)で、切歯が鋏のように上顎がやや前に出ている状態を言います。それ以外の噛み合わせは、欠点となります。
乳歯の抜けかえの時に乳犬歯がうまく抜けずに、永久歯とともに生えてしまうことがあります。その時には乳歯を抜いてあげないと歯並びが悪くなりますし、乳犬歯と永久歯の間が狭いために歯垢がたまりやすくなり、歯肉炎になりやすくなります。犬歯以外の歯がうまく脱落しないことはまれです。
歯のぬけかえ時期は犬にとってはなんでも噛みたい時期で、家具や、敷物、履き物などいろいろ破壊してくれます。適当な噛みごたえのあるガムなどを与えてください。ガムは食べられるものではなく、決して飲み込めない大きさのものがよいと思います。
永久歯になりましたらその歯を大事にしなくてはいけませんので、歯磨きを出来たらしてあげてください。何も歯ブラシを使わなくても指にガーゼを巻いて濡らしたもので擦るだけで、ぜんぜん違います。毎日出来なくても、一日おき、それもだめなら週一回でも結構です。歯を磨くと言うより歯肉のマッサージと思っていただいた方が良いと思います。その時歯磨き粉はいりません。もし何かを使うなら、動物用の歯磨き剤がありますのでお使い下さい。犬の嗜好性の良い味が付いています。
それでも歯垢がついてしまったり、頑固な歯石(歯垢と唾液中のカルシウムがくっついて石のように硬く歯に付く、ばい菌の固まりですよ)となってしまったら、獣医さんに相談してください。
普通歯石除去は全身麻酔下で行われますが、IGなどサイトハウンドは麻酔に敏感なので、経験のある獣医に任せたいものです。
最後に水の飲ませ方ですが、ボウル状の食器から新鮮な水がいつでも飲めるようにしてあげてください。特に食後がぼがぼと水を飲むことで口を濯ぐ効果があります。(試しに食後水を飲んだ後残った水を見てください、食べかすが浮いていると思います)
ハムスターが使うような給水器は水は飲めますが、口を濯ぐ効果は望めません。歯のためにも水は大事です。